リノベのノウハウ

マイナスを補い、「らしさ」を加える

マイナスを補い、「らしさ」を加える

っておきたいマンションの“常識”

満足できるリノベーションを行うには、マンションの特徴を理解しておくことが大切です。計画上の制約やマンションの弱点を知り、その解消を図っていくことが成功するリノベーションの第一歩になります。

画一的なつくり

マンションの間取りはどれも似ています。それが当たり前のため、つい見逃したり、「仕方ない、そういうものだ」と諦めたりしがち。でも、だからこそ画一的なつくりから抜け出すことは、リノベーションの満足度を高める近道です。

一般的なマンションでは、玄関を入ると目の前に廊下が延び、その両側に部屋が並んでいます。廊下の突き当たりの南側にLDKがあり、キッチンの横を通ってリビングにたどり着きます。北側にある寝室の窓のすぐ外には共用廊下が通っています。

壁や天井は没個性的な白いビニールクロスで覆われ、床はマンション仕様のフローリングが主流です。ムクの木を用いたり、しっくい壁のような自然素材で仕上げたりしていることはありません。

 

結露

古いマンションは断熱性が低いことが多く、結露が生じやすいのが弱点です。結露は外気に接した部分に起こるので、外壁や窓まわりが要注意箇所になります。

高級なマンションには凹凸が多い外観デザインの建物もありますが、こうした建物では断熱性の弱点である外壁面が多くなります。その分、結露対策が必要な面積も増えるのです。

 

結露に注意

 

共用部分の制約

分譲マンションでは、自分の住まいならどこでも自由に改装できるわけではありません。区分所有者が共有する「共用部分」については、居住者が勝手に手を加えることができないからです。

リノベーションでも、外壁や玄関ドアの外側、窓サッシなどは共用部分に当たるので工事の対象外になります。ですから、自由に取り替えたり、直したりすることはできません。エアコンのダクト用の穴を外壁に開けることも基本的にはできませんし、共用配管の位置は変えられません。

共用部分には手を加えられない

共用部分には手を加えられない

共用部分

 

点の克服が第一歩

上に挙げたこれらの弱点を解決していくことが、住みやすい家を実現する第一歩になります。

間取りの刷新

狭くて暗い玄関。バスタブでゆったり足を伸ばせず、洗い場も窮屈なユニットバス。忙しい朝でも家族が同時に使えない、小さな洗面台と脱衣所まわり。キッチンや共用部を含めた収納の少なさ。これらの不満は、マンションが抱える代表的な弱点です。リノベーションでは、こうした点を1つずつ解消していくことが大切です。

玄関を広くしたり、不要になった部屋をなくして広いリビングや大きな収納を確保したり。水まわりのスペースもゆったり確保すると使いやすく、日々気持ち良く過ごせます。内装仕上げや設備機器を新しくするだけでなく、間取りそのものを刷新して快適性を高める工夫は欠かせません。

間取りの刷新

間取りの刷新

間取りの刷新

  • まずは使いにくい部分の解消から。明るく広い玄関、ゆったり収納、独立性の高いキッチンも可能です。

 

断熱性の向上

もう1つ、忘れてはならないのが結露対策。結露によるカビや染みの発生を防ぎ、室内で心地良く過ごせるようにするには、断熱性を高める措置が欠かせません。具体的には、外気に面した外壁面には断熱材を取り付け、窓も断熱性を高めるために二重窓にします。

なお、外壁や窓サッシは共用部分に当たるため、壁の外側や窓サッシそのものに手を加えることはできません。断熱材や二重の窓サッシは室内側に取り付けることになります。

 

断熱性の向上

 

ンションでもできる自由な発想

自分たちの生活に合った住まいにするには、マンションの常識から脱して自由に夢を描くことが大切です。

注文住宅のような住まい

水まわりの位置などに制約はありますが、それ以外であればマンションでも自由な計画は可能です。むしろリノベーションだからこそ、注文住宅のようなオリジナルの家づくりを目指せるのです。そのためには「マンションだから無理なのでは?」などと最初から枠をはめたりせず、リノベーションを依頼する会社には自分たちの夢をしっかり伝えることが大切になります。

例えば「掘りごたつの和室」は、床を掘り下げられないマンションではできないと思えるかもしれません。でも掘りごたつの分だけ床を上げて畳敷きにすれば、実現することは可能です。しっくいや珪藻土などの自然素材、無垢のフローリング、ステンドグラスをはめ込んだオリジナルの建具など、戸建ての注文住宅のようなつくりも夢ではありません。

そのためにはまず、どんな暮らしや空間にしたいのかという夢を自分で描くことが第一歩となります

注文住宅のような住まい

  • マンションだからとあきらめないで。注文住宅のエッセンスを取り入れよう。

 

収納の充実

すっきりとした暮らしをするカギは、室内にモノがあふれないようにすること。室内になるべく家具を置かず、造作収納を設けておくのはそのための手法の1つです。造作収納は、地震時に家具が倒れてしまうという被害を防ぐためにも有効です。

注文住宅に比べて一般的なマンションの間取りが不便な一因は、家族で暮らすことを想定しているにもかかわらず収納が少なく使いにくい点にあります。キッチンまわりも家電製品や食器が納まり切らず、雑然とした空間になりがち。リノベーションによって家電の収納を考えた棚や動線に配慮した調理台、カップボードを適切に設ければ、使いやすく快適なスペースへと生まれ変わらせられます。

 

古マンションの選び方

中古のマンション住戸を買ってリノベーションする場合は、建物選びも重要です。どんなマンションを選ぶと安心でお得なのでしょうか。

建物は築年や耐震性を確認

まずは建物のチェックから。建物のつくりは、安全性や耐久性、リノベーションのしやすさを左右します。どの会社が建てたかは、建物に対する信頼性を判断する1つのポイントです。

もう1つ、重要な判断材料になるのが築年です。

一般に1981年の前か後かで建物の耐震性が分かれます。81年以前は古い耐震基準で建てられているのに対し、81年以降のマンションなら、基本的に現在の耐震基準を満たしているので安全度は高くなります。一方、古い基準で建てられたマンションの場合は、耐震診断の結果や診断結果に応じた改修を施しているかどうかを確認しましょう。

建物が古いと、配管類も老朽化している可能性があります。その場合、将来的にマンション全体で改修工事が発生することもあり得るので、念頭に置いておく必要があります。

鉄筋コンクリート造のマンションは一般に60年程度の耐用年数は備えています。35歳で購入する場合、例えば築20年以内の建物であれば今後40年住んでも問題ないという計算になります。建物を選ぶ際は、これから何年住んでいくのかを考えて判断するといいでしょう。

 

建物は築年や耐震性を確認

維持管理を見る

これから長く住むことを考えると、維持管理の質もマンション選びを左右する重要なポイントです。いくら良い建物を建てても、その後きちんとした維持管理をしていないと建物は傷み、不動産価値も低くなるからです。そうした建物は当然、住み心地も良くありません。

維持管理の状況は、建物を見学する際に外観を見れば一目瞭然です。共用部分のエントランスまわりやポストなども、維持管理の質を反映します。

維持管理が同程度の建物であれば、規模の小さなマンションより大規模なマンションのほうがお得と言えます。居住者が多いマンションほど、管理や将来の修繕の費用に対する個人の分担は小さくなります。月々に支払う管理費や長期修繕積立金の負担は無視できませんから、こうした費用の面も忘れずにチェックしましょう。

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